
岸にはまだ雪が残っていて、水面の端はうっすら凍っている。ロッドを持つ手もかじかむし、ラインを通すガイドも冷たい。正直、生命感はかなり薄い。
でも、こういう日こそ行きたくなる。
水は澄んでいて静か。風もなく、水面は鏡みたい。シャローの枯れたアシ際を丁寧にチェックしていく。選んだのはシボフラット。派手な動きじゃなく、ナチュラルに、ボトムに寄り添わせるイメージで。
凍りかけの水にルアーを送り込み、ゆっくり、ゆっくり。存在を消すように操作する。
すると――「コッ」。
ほんのわずかな違和感。でも確かに触った。明確なバイト。乗せきれなかったけど、それで十分。
この水温、この状況で口を使わせられた事実。それだけで今日は価値がある。一本獲ることも大事だけど、今は「魚がまだ動いている」と確認できたことが嬉しい。
冬の野池は厳しい。でもゼロじゃない。
凍りつく空気の中で感じた、あの一瞬の生命感。
今日はそれだけで満足◎
