
古代魚的な
雷魚をじっくり見ると、個体によってかなり「柄」が違うことに気づきます。黒っぽい魚もいれば、茶色や緑が強い魚、まだら模様がハッキリ出ている魚もいる。この独特な模様、実は雷魚がカバーの中で生きるうえで非常に理にかなっています。
日本で雷魚と呼ばれることが多いカムルチーは、体側に不規則な暗色斑を持っています。ヒシ、ハス、アシ、ガマ、枯れた植物などが入り混じる場所では、水中に「光と影」が細かくできます。均一な一色より、不規則な模様が入っている方が魚の輪郭が崩れ、周囲に溶け込みやすくなる。いわゆるカモフラージュ効果です。
面白いのは、同じ場所で釣っていても雷魚の色が全部同じではないこと。魚の体色は遺伝的な要素だけでなく、背景環境や光、水の濁り、魚の状態などによって見え方が変化します。そのため、クリアな水域の魚と濁った水域の魚、植物が密集した場所にいる魚では、受ける印象がかなり違うことがあります。
そして幼魚には、成魚とはまた違った特徴があります。成長段階によって体色や模様の印象が変化するため、小さい頃と大型になってからでは「同じ魚?」と思うほど雰囲気が変わることもあります。
雷魚釣りをしていると、どうしても「何cmあった」「どんなフロッグで釣れた」に目が行きがちですが、釣れた魚の柄を観察するのもかなり面白い。
特にヒシが濃い場所、アシ際、オープンウォーターなど、「どこから出てきた雷魚なのか」と体色や模様をセットで写真に残しておくと、後から見返した時に発見があります。
雷魚のあのワイルドな柄は、単にカッコいいだけではない。
植物と光と影が複雑に入り混じる水辺で生きてきた魚だからこそのデザインだと思って見ると、雷魚釣りがまた少し違って見えてきます。
