修行

雨が降ると、フィールドは一気に表情を変える。

流入、風、雨粒。その全てが重なって、水が動き出す。自分はこの「水が動く瞬間」を見るために、あえて雨の日に釣りに出ることが多い。

水が動けば、魚も動く。

それは感覚論じゃなく、魚探を見ていればはっきり分かる。ベイトが浮き、沈み、散る。今まで無反応だった地形に一瞬だけ生命感が入る。そんな変化は、晴れた穏やかな日よりも、雨の日の方が何倍も強く出る。

だからこそ、ハイテクの練習になる。

画面に映る情報と、実際に起きている水の動き、そして自分の立ち位置。その三つを一致させられるかどうか。雨の日は誤魔化しが効かない。ズレていれば何も起きないし、合えば一瞬で答えが出る。

楽な釣りじゃない。むしろ修行だ。

体は濡れ、集中力も削られる。それでもボートを出すのは、試合やガイドで「今日しかない一瞬」を逃さないため。水が動くからこそ、魚の本音が見える。その瞬間を理解できるかどうかで、釣りの精度は大きく変わる。

雨の日に積み重ねた経験は、必ず武器になる。

水が動いた時、迷わず判断できる自分でいるために、今日も修行は続く。