雪国

雪国にいると、どうしても「今はオフだ」「フィールドに出られない」と思いがちになる。けれど、試合で結果を出す選手ほど、この時期を無駄にしない。雪国でも練習はできるし、何より“準備”ができる。むしろフィールドに出られない今だからこそ、試合のためにやるべきことが明確になる。

タックルを見直す。ラインの巻き替え、フックの交換、ルアーの状態チェック。動きのイメージを頭の中で何度も繰り返す。過去の試合を振り返り、何が良くて何が足りなかったのかを整理する。これは湖に出ているだけでは、なかなかできない作業だ。

試合で差がつくのは、当日の一投ではない。スタート前から、もっと言えばオフシーズンの過ごし方で、すでに差は生まれている。雪国にいることはハンデじゃない。考える時間、整える時間がたっぷりあるという意味では、むしろアドバンテージだと思っている。

今は「魚を釣る時間」ではなく、「勝つための準備をする時間」。シーズンが始まった時に迷わないために、今やれることを一つずつ積み重ねる。静かな冬の間に、気持ちはすでに試合モードへ。雪が溶けたその瞬間、全力で踏み出すために、今日も準備を進めていく。

MLF

正直に言って、MLFジャパンに出場するかどうか、かなり迷っている。

日本のトップカテゴリーの一つであり、注目度も高い。出れば自分の釣りを多くの人に見てもらえるし、プロとしての立ち位置もはっきりする。一方で、年間を通したスケジュール、費用、練習量、結果へのプレッシャーは相当なものだ。中途半端な覚悟で出る舞台ではないのも分かっている。

今の自分の釣り、経験、生活とのバランスを考えると、簡単に決断できないのが正直なところだ。ただ、迷っているということは、それだけ本気で向き合っている証拠でもある。出るにしても出ないにしても、後悔のない選択をしたい。答えはもう少し時間をかけて出そうと思う。

2026年

新年あけましておめでとうございます。

旧年中は、ガイドにお越しいただいたゲストの皆様、日頃から応援してくださる方々、そして関わってくださるすべての皆様に、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

振り返ると昨年は、思うようにいかないことや、悔しさを感じる場面も少なくありませんでした。結果が伴わず、自分の力不足を痛感することもありました。ただ、その一つひとつが無駄だったとは思っていません。うまくいかない時間があったからこそ、立ち止まり、考え、向き合うことができた一年だったと感じています。

釣りは自然が相手であり、簡単に答えが出るものではありません。だからこそ、自分自身の姿勢や向き合い方がそのまま結果に表れる世界だと思っています。楽な方に流れず、言い訳をせず、一日一日、一投一投を丁寧に積み重ねる。その当たり前を、今年はより一層大切にしていきます。

本年は、流れや運に期待するのではなく、自分の判断と行動に覚悟を持って進む一年にします。ガイドにおいても、ただ釣らせるだけではなく、「来て良かった」「またお願いしたい」と心から思っていただける時間を提供できるよう、安全第一で、誠実に向き合っていきたいと考えています。

派手さはなくても、ブレない。

結果で語れる自分でいること。

そのための努力を惜しまない一年にします。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

皆様にとって、実り多く、笑顔の多い一年になりますように。

今年最後

今年も一年、本当にありがとうございました。

まずは、日頃から応援してくださっている皆さま、ガイドをご利用いただいたゲスト様、フィールドで声をかけてくださる方々、SNSを通して関わってくださったすべての方に、心から感謝いたします。

正直に言うと、今年は「思うようにいかなかった一年」でした。

結果、数字、評価、自分自身の立ち位置。

どれを取っても、悔しさのほうが大きく残っています。

やってきたことが間違っていなかったとは思っていますし、手を抜いたつもりもありません。

それでも、届かなかった。

あと一歩、あと一匹、あと一判断。

その積み重ねが、結果として表れてしまった一年でした。

悔しいです。

本当に悔しい。

でも、不思議と「折れた」という感覚はありません。

むしろ、この悔しさは自分の中で、確実に“バネ”になっています。

釣りに対する向き合い方、魚への扱い、フィールドへの敬意。

ここだけは、今年もブレなかったと胸を張って言えます。

一匹を大切にすること。

結果だけでなく、その過程や姿勢を大事にすること。

それは、来年も変わりません。

今年得たものは、派手な結果ではなく、

「まだ自分は伸びる余地がある」という確信でした。

悔しさを知っているからこそ、次に進める。

負けた経験があるからこそ、勝ち方を考え続けられる。

そう信じています。

来年は、この一年で溜め込んだすべてを解放する年にします。

言葉だけで終わらせるつもりはありません。

結果で、行動で、フィールドで示します。

飛躍の一年にする覚悟です。

今年一年、本当にありがとうございました。

来年も変わらず、よろしくお願いいたします。

皆さま、どうか良いお年をお迎えください。

フィッシュリヴ

正直、ここまで時間がかかるとは思ってなかった。

でも今ははっきり言える。

とうとうできた。

桧原湖。

特に真夏や大会後半に出る、いわゆる“死水エリア”。

水は淀み、酸素は薄く、魚にとっては一番過酷な状況。

正直、普通にケアしても弱る魚は弱る。

その中で、

俺のライブウェルの魚だけが、最後まで生きていた。

これが全ての始まりだった。

「なぜ生きているのか」

「なぜ他と違うのか」

感覚じゃなく、理由が欲しくて、そこから本気の検証が始まった。

成分、量、溶け方、水温変化、魚の状態。

一回で答えが出るわけがない。

何度も失敗して、何度もやり直した。

周りの人にも協力してもらい、現場で試し続けた。

目的は一つ。

魚を絶対に死なせたくない。

トーナメントだから。

検量があるから。

じゃない。

バスが好きだから。

釣りを続けたいから。

このフィールドを、未来に残したいから。

FishRevは、派手なことはしない。

でも確実に「魚が耐える時間」を伸ばす。

弱った魚が、もう一度息を整える時間を作る。

これは机上の理論じゃない。

現場で、生き残った魚が証明している。

本気で使いたくて、ずっと開発してきた。

自分が信じられないものは、絶対に売りたくなかった。

FishRevは、

俺が自分の魚に使い続けたいと思えた唯一の活性剤。

魚を大事にしたい人にだけ、使ってほしい。

その想いごと、ここに詰めた。

——ようやく、スタートラインに立てた。

修行

雨が降ると、フィールドは一気に表情を変える。

流入、風、雨粒。その全てが重なって、水が動き出す。自分はこの「水が動く瞬間」を見るために、あえて雨の日に釣りに出ることが多い。

水が動けば、魚も動く。

それは感覚論じゃなく、魚探を見ていればはっきり分かる。ベイトが浮き、沈み、散る。今まで無反応だった地形に一瞬だけ生命感が入る。そんな変化は、晴れた穏やかな日よりも、雨の日の方が何倍も強く出る。

だからこそ、ハイテクの練習になる。

画面に映る情報と、実際に起きている水の動き、そして自分の立ち位置。その三つを一致させられるかどうか。雨の日は誤魔化しが効かない。ズレていれば何も起きないし、合えば一瞬で答えが出る。

楽な釣りじゃない。むしろ修行だ。

体は濡れ、集中力も削られる。それでもボートを出すのは、試合やガイドで「今日しかない一瞬」を逃さないため。水が動くからこそ、魚の本音が見える。その瞬間を理解できるかどうかで、釣りの精度は大きく変わる。

雨の日に積み重ねた経験は、必ず武器になる。

水が動いた時、迷わず判断できる自分でいるために、今日も修行は続く。

ヤバ

細い所、本当に助かる。

こういう部分を見てくれているかどうかで、準備の質も、試合への向き合い方も大きく変わる。

写真のこれは、正直に言って熟成し過ぎて恐ろしいレベル。

長い時間をかけて、ボックスの中で積み重なってきたもの。

見た目だけなら「もう終わってる」と言われても仕方ない状態だと思う。

でも、ここまでになるまで使われ続けた背景がある。

投げて、外して、入れ替えて、また投げて。

その繰り返しの中で、自然と残った痕跡みたいなもの。

ただ、試合の世界では感情だけでは通用しない。

どれだけ思い入れがあっても、

今の状況に合っているか、信頼できるかを冷静に見極める必要がある。

使い込み過ぎたものは武器にもなるし、足を引っ張る存在にもなる。

だからこそ、細かい所を整え、助けてもらえる環境がありがたい。

命懸けで戦っている以上、

応援してくれる人や支えてくれる存在に対して、

「まあいいか」は絶対に許されない。

恐ろしさを感じるほど使い込まれたこの状態を見て、

改めて気が引き締まった。

まだやれる。

まだ詰められる。

そう思わせてくれる準備こそが、次につながる。

来年も、最高峰の舞台で戦う理由

来年も、最高峰カテゴリーで戦う。

それは簡単な決断じゃないし、惰性で続けられる世界でもない。

バスフィッシングトーナメントは、外から見れば「好きな釣りを仕事にしている」「楽しそうな世界」に見えるかもしれない。でも実際は、結果がすべての世界で、常に自分の価値を問われ続ける場所だ。成績が出なければ評価は下がり、存在意義すら疑われる。そんな厳しい舞台に、16年連続で立ち続けてきた。

正直に言えば、命懸け――

そう言っても大げさじゃない。

体調管理、資金面、家族のこと、将来への不安。

レース前夜に眠れない日も何度もあったし、「もう限界かもしれない」と思ったことも一度や二度じゃない。それでもボートに立ち、キャストを続けてきたのは、この世界に人生を懸けているからだ。

自分は天才でもスターでもない。

ただ、人一倍この競技に真剣で、誰よりもフィールドと魚に向き合ってきた自負はある。一匹のバスに対して手を抜かないこと。魚を守り、フィールドを守り、釣りの価値を下げないこと。それがプロとしての最低限の責任だと思っている。

そして、この挑戦は決して一人では成り立たない。

共に戦ってくれるスポンサーの存在があってこそ、今の自分がある。

結果で応えること。

フィールドでの姿勢で応えること。

言葉ではなく、行動で信頼に応えること。

それが、協力してくれているスポンサーに対する自分なりの誠意であり、覚悟だ。軽い気持ちでロゴを背負っているつもりは一切ない。人生を懸けているからこそ、スポンサーに対しても本気で向き合っている。

来年も最高峰の舞台で戦う。

それは挑戦であり、証明であり、自分自身との勝負だ。

まだ終われない。

まだ、見せたい釣りがある。

応援してくれる人、支えてくれる人、そのすべてに結果で応えるために――

市村修平は、来年も命懸けでキャストし続ける。